8.コーディネート終了

1週間後、この日は長女の入学式でした。

卒園式でも泣かず、入学式でも泣かず。

ただ、大きくなったなぁと娘の成長をしみじみと感じました。

桜の樹の下で、同じ保育園だった子たちと写真を撮って、テンションマックスの娘。

これからの学生生活、頑張ってほしいものです。

 

その日は午後から美容院へ。

いつもお世話になっている美容師さんに、「骨髄バンクって知ってます?」

「いやー、知らないです。何のことですか?」

池江璃花子さんみたいに、白血病になった人に自分の骨髄液を提供して、治療するんです。その骨髄バンクのドナー候補に私がなったんですよー。もしかしたら誰かの命を救えるかもしれないんですよ!」

「それはすごいですね!」

「ただ、他にもドナー候補者はいるかもしれませんし、患者さんの容態が悪くなって、途中で終わってしまうこともあるみたいなんです」

「選ばれた人しかなれないんですね」

「今は選ばれるように健康でいないといけないんです」

「選ばれるといいですね」

 

美容院からの帰りの道中で、コーディネーターさんからの電話がありました。

「oyabin586さん、今回は患者さん都合によりコーディネート終了になりました」

「え、それって終わりってことですか?」

「はい、そうですね」

「中止になった理由とかは教えてもらえないんですよね?」

「そうなんです。今回のコーディネートは終了ですが、今後も骨髄バンクを継続していただけますか?」

「もちろん、お願いします………」

 

少しの間放心状態だった私。

好きだった人にフラレた、あの感覚。

続く…