生理食塩水
ゼリーを食べ終わり、そろそろ寝ようと思うと、
コンコン、「〇〇さん。」
担当医の先生が入ってこられました。
「麻酔酔いはどうですか?」
「晩ごはんは食べれなくて、さっきゼリーを買ってきてもらいました。すこしマシになりましたが、まだ酔った感じはあります」
「ちょっと長引きすぎですね、水を流しましょうか」
そう言って先生が病室を出ていくと、しばらくして点滴を1つ持ってこられました。
「お水流しますね」
「これって生理食塩水ですか?」
「そうですよ」
貯血のときにも流してもらった生理食塩水。
どういう効果があるのかは、その時は聞きませんでしたが、後で嫁さんに聞くと、体液薄くして尿として不純物を出すのを促すんかなぁ?とのことでした。
点滴されてそろそろ消灯時間。
すると受け持ちの看護師さんが入って来られました。
「〇〇さん、お加減いかがですか?」
「なんだかマシになった気がします」
「良いことしたのに、しんどくなるのは嫌ですよねぇ。〇〇先生が〇〇さんの事、だいぶ気にしていましたよ。麻酔酔い大丈夫かなぁ?って」
「ホントですか?」
「〇〇さんは大丈夫なんで、先生はもう帰ってくださいって言っときました(笑)。」
(私より全然若いけど豪快な看護師さんだなぁ…嫌いじゃないけど)
「寝る前に腰のテープ交換しますね」
すると手際よく腰のテープを新しいものに交換してくれました。
「では〇〇さん、おやすみなさい」
「おやすみなさい」
考えすぎかもしれませんが、骨髄採取は手術が終わってしまえば、病院からしたら私はリスクでしかなくて、早く退院してもらいたい人。
しかし手術後、担当医師の先生や看護師さんにとてもよくして頂きました。
入院中看護師さんの事が好きになってしまう人がいるのもわかる気がします(笑)
それを帰ってから嫁さんに伝えると、冷めた顔で、「それ、お金もらってるからやで。そんなん仕事やもん。勘違いしたらあかんよ」
ガーン………。確かにそうだろうけど、夢も希望もない事言わなくても………。「人の為に良いことしたから皆優しくしてくれてるんかもね」ぐらい言ってくれても………。
こうしてあっという間でもあり、長い1日がおわりました。