麻酔酔いは続くよどこまでも
昼ご飯を食べで以降、再び麻酔酔いが酷くなってきた私。
ずっと横になっていたいものの、訪問者は続きます。
コンコン、「〇〇さーん」
主治医の先生が入って来られました。
「〇〇さん、お疲れ様でした」
「こちらこそありがとうごさいました」
「体はどうですか?どこか痛いところとかありますか?」
「痛いところは無いんですが、頭がくらくらして、車酔いしてるみたいです」
「麻酔酔いですね、手術から時間も経ちましたし、もうすぐ収まると思いますよ。ゆっくり横になっていてください。」
先生が出ていかれて、また泥のように眠った私。
コンコン、「〇〇さーん、夕食です」
「………、はーい…」
まだ気持ち悪い。。。
「大丈夫ですか?こちらにご飯置いておきますね」
「ありがとうございます。なかなか気持ち悪いのが取れないです」
「ゆっくり食べてくださいね」
メニューは牛肉の甘辛炒め、だし巻き卵、カリフラワーとハムのサラダ、白米200g。
お腹が空いていればペロリの量ですし、どれも美味しそう。ただ…
一口お肉を入れましたが、いくら噛んでも唾液が出ない。全く飲み込めない。
「あかん、気持ち悪い……」
食物を口に入れたからか、気持ち悪さが更に悪化してしまい、夕食はそのままにして横になりました。
コンコン、「〇〇さーん、大丈夫ですか?しんどくて食べらませんてましたか。下膳しますね」
目が覚めて時計を見ると20時。2時間寝たからか、少し酔いがマシになっていました。
「すみません、すぐに食べます」
「ごめんなさいね、2時間経ったものは食べたらいけない決まりになっているんですよ。食中毒の恐れがあるので。」
「えーーー!」
ガーン、全く食べれそうなのに…、確かにもし病院で食中毒が起こったら大問題ですもんね。
「今晩受け持ちの看護師に、コンビニで何か買ってきて貰いましょうか?」
「え?!そんなことしてもらえるんですか?」
「動けない患者さんに特別にすることもあるんです」
「じゃあ、ゼリー的なものをお願いします」
しばらくして、
「〇〇さん、今晩受け持ちの〇〇です。ゼリーですね、買ってきますんで、お金頂いてもいいですか?後でお釣りとレシート渡しますね。」
そういって数分後、看護師さんがたらみのゼリーを買ってきて下さいました。
「うまい………」
昼ご飯は気持ち悪くて、あまり味がわかりませんでしたが、このゼリーの味は今でも忘れられませんでした。